茨城県は山地と太平洋に面する陸地を有しているため「首都直下地震」「南海トラフ地震」発生により、著しい被害を受けることが予測されています。
今回は茨城県の耐震の現状と、補助制度についてお話しします。
茨城県では、平成4年に国の中央防災会議から示された「南関東地域直下の地震対策に関する大網」において、直下の地震の発生により著しい被害の生じる恐れのある地域(震度6相当以上)として、県の南西部19市町村(平成18年の市町村合併以降)が指定されたため、この地域を中心に震災対策を進めてきましたが、
平成10年、平成17年と大網が改定され、現在、南部の利根町~ひたちなか市に及ぶ32市町村が挙げられています。
平成19年3月には「茨城県耐震改修促進計画」を作成、建築物の耐震化を計画的に進める必要がありましたが順調には進まず、
その結果、平成23年3月11日の東日本大震災により、県内広範囲の地域で甚大な被害を受けました。
これを受けて国は平成25年「耐震改修促進法」の改正を施行。茨城県でも「茨城県耐震改修促進計画」を策定し、
平成32年度までに戸建住宅や多数の者が利用する建築物の耐震化率を95%とすることを目標としています。さらに平成37年度までに耐震性が不十分な住宅を概ね解消することが目標とされています。
平成29年4月時点の耐震化率は、県有施設においては100%、市町村建築物は91.9%、県内住宅は81.8%となっています。
平成32年度の目標達成に向けて、県では相談窓口の開設やセミナーの開催、パンフレットの配布等による情報提供の充実、木造住宅耐震診断士の派遣や耐震診断・改修の補助金制度の導入等、耐震化の促進を図っています。
参考:茨城県HP「耐震改修促進計画」
https://www.pref.ibaraki.jp/doboku/kenshi/kikaku/kikaku/sokushinkeikaku-kohyo.html
現在の耐震診断は、旧耐震基準で統計され耐震性能を保有している建物を、現行の基準で耐震性を確認するものです。
診断費用は建物や診断の種類によって変わりますが、弊社では以下のような基準を設けております。
※木造住宅で階数2階以下、面積100㎡以下において
・一般診断の場合:在来工法・壁式工法 → ¥120,000-
伝統工法 → ¥350,000-
・精密検査の場合:在来工法・壁式工法 → ¥250,000-
伝統工法 → ¥400,000-
(※既存図面がない場合、追加で¥80,000-の費用を頂いております)
※木造以外の建物の場合、面積250㎡以下で延床面積1㎡あたりの値段となります。
・重量鉄骨造 → ¥8,000-
・軽量鉄骨造 → ¥9,000-
・鉄筋コンクリート造 → ¥8,000-
・軽量鉄筋コンクリート造 → ¥9,000-
(これ以上の規模の場合は、国土交通省の告示に準じた算出条件で、お見積りを行います)
茨城県内では耐震診断を促進するため、市町村ごとに耐震診断の費用を一部補助する支援策があります。
補助を受けられる対象の建物はほとんどの場合、昭和56年5月31日以前に工事が始まった木造住宅、
多くの方が利用する一定規模以上の病院、ホテル、老人ホームなど特定耐震不適格建築物です。
補助の金額・募集期間は市町村によって異なり、それぞれ上限があります。
補助制度を利用する場合は、契約締結前に補助申請を行わないと、制度が利用できないので注意が必要です。
耐震診断を行った結果、補強が必要と判断されると、具体的な耐震改修を進めていきます。
その際、どこまでのレベルで耐震化していくか、しっかりと打ち合わせを重ねる事が大切です。
建物の設備や使い勝手、施工条件、工事の費用、工期など様々な要点を考慮して行います。
弊社ではご依頼主様にあわせた「耐震補強計画・設計」を行っていきます。
県では耐震診断と同様に、耐震改修に係る費用の一部を補助する制度があります。
茨城県では今後起こり得る直下型地震を想定して、建物の倒壊等を防ぐためのさまざまな対策をとっています。
その一つが耐震診断で、個人住宅から公共施設に至るさまざまな建築物に実施しています。
市町村によって違いはありますが、補助金制度は大いに活用したいところです。
弊社ではご依頼主様の建物の条件に応じたご提案を致しますので、迷ったらぜひご相談下さい。